皆様、いつもご利用ありがとうございます。
Le Cafe RETRO ハタチになります。長いようで短かったこの20年、まるで昨日のことのように思い出せます。
関わってくださった全ての皆さまに向け、レトロ(2001~2021)の20年間を振り返って文章を書いていましたが、思い出せ過ぎて2002年の時点で既に8ページ程を使ってしまい、一体いつになったら2021年に入れるのかわからなくなってしまったので、ここに簡単ながらご挨拶文を書かせて頂きます。
本編はいつか書き上げたら読んでやってください。
拝啓
この度、Le Cafe RETRO を閉店するとことなりました。2021年6月13日で満20歳を迎える予定ですが、昨今のコロナウィルスによる影響により「人が集まる空間」としての存在意義が大きく薄れてしまった事、学生街という立地において大学における団体活動の方針がしばらく整わないだろうという想定から苦渋の決断をした次第です。
レトロは、私が31歳の時に個人事業としてプロデュースした最初のお店です。全てココから始まったと言っても過言ではありません。本当に長い間、良い時間を過ごすことが出来ました。
早稲田大学の卒業生には毎年「レトロはずっとココにあります。しんどい時は顔を出しに来てください」と張り出していたので、約束を、破ることになってしまいました。30年後に吹き抜け階段の下からセピア色になった仲間を迎えるシーン、守り切れなかった。申し訳ない…。
レトロ会の皆さん、コロナが始まる前まで本当に毎月ご利用いただきありがとうございました。力及ばずで申し訳ありません。
本店のクローズは非常に大きな決断でした。ですから今回、自分にとって、スタッフにとって、お客様にとってLe Cafe RETROの20年とは何だったんだろう?と時間をかけて改めて考えてみました。
・新宿早稲田に出来た最初のダイニングカフェ
・吹き抜けの空間
・学生街の食堂
・出会いの場
・新歓の会場
・就活相談のラウンジ
・階段正面のプロジェクターとスクリーン
・階段の下のソファー席
・地下のDJブース
・壁面の本棚
・大量のイベント機材
・2階のオフィス→寺小屋→ラウンジ
・3階の大型印刷機器と会議室
そして…
(最後なので謙遜挟まずに言わせてください)
・スタッフにやたら美人が多かった店
・スタッフにやたら馴れ馴れしい野郎どもがいた店
・ランチタイムでソファー席まで相席にされた店
・深夜にカウンターで飲んだくれて朝まで寝てた大人が居た店
・いつでも学生価格でイベントが出来た店
・プロポーズの場所になった店
・壁面ディスプレイの大量のワインが某大学の交換留学生に全て盗まれた店
・結婚式の2次会をした店
・他のお客様への迷惑行為があると叩き出していた店
・いつもボサノバやコンテンポラリーMusicが流れていた店
・バイトにハマり過ぎて卒業まで7年半かかった学生スタッフがいた店
・飲み物を思い出してもらえる店
カプチーノ / 200種類近くあったカクテル / フルーツタルト / バナナシェイク / ロイヤルミルクティ / ホットチョコレート / レモネード /
今でも自信作です。
・食べ物を思い出してもらえる店
手作りピザビスマルク / フレッシュトマトのクリームパスタ / アマトリチャーナスパゲティ / タコライス / カリフォルニアライス / レトロ丼 / 肉野菜炒め / ほうれん草チャーハン / そして…オムライス
歴代の料理長と一緒に創作試行錯誤した事、懐かしいです。
・オムライスの調理を30秒台にして移動販売車に乗せ、OmtRakブランドを立ち上げた店
・野外音楽フェスに初めてオムライス屋を持って行った店
・多くの情報番組や新聞雑誌に取り上げられた店
・ホームレスに牛乳を盗まれて取り返しに行った店
・手作りのスイーツが店頭に並んでいた店
・1950年代生まれの早稲田OBが始めた異業種交流会であるレトロ会が70回以上開催された店
・学生新聞(The RETRO Times)を作った店
・目の前にフェニックスカフェを作った店
・サークルで使った店
(最初に貸し切りしたのは早稲田大学雄弁会 / 最初に丸1日利用したのは理工のスイング&ジャズクラブ / 毎年卒業式に朝まで騒いでいたのは放送研究会 / スタッフとトラブルを送りこんだ最初の常連サークル早稲田リンクス / 急性アル中疑惑で救急車を呼ぶ羽目になりレトロの存続を揺るがした基礎9ゼミ…(松吉 当時32歳)/ 長くなるからやめますがその後20年間、サークル名やゼミ名は枚挙にいとまが無いですね。楽しかったなぁ…疲れたけど。)
私にとってはどれもレトロなんですが、ご利用された世代によって、皆さんの思い出もその時の店の姿も様々だと思います。
ただ…こうやって改めて考えてみると、
全てのシーンが人の顔と一緒に出てくるのです。
それは言い換えると、
空間と商品と時間の上に数々のシーンを作って来たのは,
20年間のレトロを構成(つくって)してくれたのは、
全てヒト(我々と皆さん)だった、というなのかな、と。
カフェって特殊な飲食店ですよね。
利用者や従業員の目的がこんなにバラバラな店舗業態は多分他にありません。
ですから
カフェ≠ 空間(空間そのものではなく)
カフェ≠ 商品(メニューでもなく)
カフェ≠ 時間(流れた過去でもなく)
カフェ = シーンを紡いで来たヒト達 = Le Cafe RETRO
なんだ、と。
それが僕なりに捻り出したLe Cafe RETROの20年とは?の答えです。
ありきたりですかね…
2021年6月13日 Le Cafe RETRO 20歳のバースデー
時には反抗期で大変でしたが、なんとか成人まで見守ることが出来ました。
ですが空間とはもうすぐお別れです。時間の巻き戻しも出来ません。
もしかしたらこのまま緊急事態宣言延長で人知れず閉店するしか無いかも知れません。
だとしても、
RETROという店舗を構成して来てくれたのがヒトなのであれば、
この20年間、(歌謡曲の歌詞のように)
あの日あの時あの場所でヒトが交差して産み出されたモノ全て、
どれが欠けても産みだされなかったモノ全て、
は残ります。
そしてそれを未来に向けて存続させる事(産み続ける事)も出来る気がするのです。
「空間」:また作ればいい。
「商品」:いつでも(その日だけでも)再現できる。
「時間」:今を感じながら一緒に思い出せばいい。この瞬間も過去なわけだから。
そんな話を、少しでも多くの方々に聞いてもらえたら嬉しいです。
緊急事態宣言下により一般営業が出来ません。
20歳の誕生日を祝う形として、皆さんにお会いして飲んだり食べたりしながらお話ししたいですが、叶いません…
せめてもと思い
オンラインのトーク会をやろう
と思いたちました。近隣に居る一部のメンバーと20年を振り返ってみます。お酒を片手に覗きに来てレトロを祝ってやって下さい。
そしてまた一緒に「シーンを紡いで」頂けませんか?
全ての歴代スタッフ、全ての元常連さん、特に「何度か使った事あるけど松吉とは絡んでないという全てのお客様」、仕事仲間、同業者、施工関係者さん、取引業者さん、
最後に「レトロは知らないけど松吉は知っているという方々」
どなたでも歓迎します。
Youtubeで一方的に見ていただくのも、
ClubHouseで聴いて頂くのも、発言して頂くのも、
当日レトロに来て頂くのも(私含め何人か地下で飲んでます。お近くの方は是非!)、
どんなカタチでも構いません。
心よりお待ち申し上げます。
最後になりましたが、
神経質にならざるを得ないコロナ渦での感染予防や、長期の在宅勤務によるストレス等、
大変な日々が続きますが、どうぞご自愛ください。
皆様のご多幸とご健勝をお祈りしつつ、ご挨拶の言葉に替えさせて頂きます。
2021年6月5日
Le Cafe RETRO
代表 松吉輝明
YouTube Liveは2021/6/13 19:00~23:00 を予定しています。↑からどうぞ。
Clubhouse もYouTubeと同じスケジュールで始まります。ラジオ番組のように気軽に音声だけ(発言可能)でお聴きになられる方はコチラをどうぞ。↓